(抜粋)フォルケホイスコーレでは「何を考えるか」「他人とどう話すか」「社会の中でどう生きるか」を育てる教育が行われるそうです。筆者観点からは理想に近い教育システムとも見えましたが、実際はどうであろうかと深掘りの必要性も感じたので、追加調査を行いました。


前回は、北欧諸国の民主制の劣化を防ぐ方策の一つの教育にgついて、デンマークのフォルケホイスコーレ(民衆の民衆による民衆のための成人教育機関)に着目し、その概要を調べてみました。
その理念も仕組みも日本の高等教育とは全く異なることが分かりました。
煎じ詰めると次のような対照性が浮き彫りとなりました。
・日本の一般的な学校:「何を知っているか」を測る
・フォルケホイスコーレ:「何を考えるか」「他人とどう話すか」「社会の中でどう生きるか」を育てる
筆者観点からは理想に近い教育システムと見えましたが、実際はどうであろうかと深掘りの必要性も感じました。
よって、今回はフォルケホイスコーレの実際を追加調査してみました。
また、全寮制の成人教育という特質に興味を惹かれましたので、その点も深掘りをしてみることにしました。
例によってChatGPTに質問する形で調査しました。
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0)成人教育なのに全寮制
日本人にはかなり不思議に感じるところとのこと。
「成人教育」という言葉から日本の「社会人向け通信講座・夜間学校」のようなものを想像すると、かなり違うそうです。
1)年齢層
通常のフォルケホイスコーレは17歳半以上なら入学可能で、上限年齢は無いそうです。
ただし、長期コース(典型的には4か月程度)の学生は20~24歳が中心。大学生が1年間休学して参加するケースも。
一方、短期コース(1~2週間程度)では年齢層が大きく異なり、60歳以上の参加者も多いそうです。
2)全寮制
ここがフォルケホイスコーレの核心で、「授業だけが教育ではない」と考える※のがその理由とのこと。
※)この考え方は、どちらかと言えば、インドの伝統的なグルルカ方式に近いように思われます。また、その流れを汲む日本の仏教教育も同様ではないかと感じました。
学生と教師が、
・ 一緒に暮らす
・ 一緒に食事する
・ 授業後も話す
・ 行事をする
・ 異なる意見について議論する
という共同生活そのものを教育の一部としているそうです。
デンマーク政府もフォルケホイスコーレについて「生徒と教師※が学校で生活し、授業だけでなく社会的交流も行う」と説明しているとのこと。
※)教師のライフスタイルについては別途調査する予定です。
つまり、大学の「寮付きコース」というより、「共同生活をしながら、人間として成長するための学校」に近いそうです。
3)「成人教育」という名称の理由
フォルケホイスコーレは学歴を取得するための正式な学校制度ではないとのこと。
試験もなく、大学入学資格なども得られないそうです。
デンマークでは次のように学校の役割分担となっているようです。
・高校 → 大学進学のため
・大学 → 専門的知識・職業のため
・フォルケホイスコーレ → 人生・社会・民主主義について学ぶため
「大学生くらいの若者が、大学へ行く前後に4か月ほど全寮生活をしながら、自分の人生や社会について考える」というイメージが、現在のフォルケホイスコーレにはかなり近いようです。
グルントヴィの「国民を民主社会の主体として育てる」という思想が、かなりそのまま残っている部分だそうです。
4)入寮中の収入
長期コースの参加者の多くは大学進学前後の若者なので、もともと就業していないケースが多く、在学中に給与を得るわけではないそうです。
一方、社会人が仕事を辞めて参加する場合には、当然その期間の収入は無くなり、フォルケホイスコーレ自体が給与を支払う学校でもないとのこと。
授業料・食費・宿泊費を負担するのは参加者。ただしデンマーク政府から学校への補助金があるため、実際の費用は全額ではないそうです。
制度としては、「働いて収入を得る期間」ではなく「一定期間、仕事や通常の進学から離れて、共同生活をしながら学ぶ期間」という位置づけとのこと。
日本では18~20歳前後の若者が4~6か月仕事をせず寮生活をして「民主主義や人生について学ぶ」という制度はかなり珍しいのに対して、デンマークではそれを社会的に価値のある教育期間として公的に支える仕組みがあるという対照性があるということです。
5)宗教の制約
基本的には宗教上の制約はないそうです。
ただし、フォルケホイスコーレは歴史的にキリスト教、とくにデンマーク国教会の文化とグルントヴィの思想から強い影響を受けているため、学校によって宗教色にかなり違いがあるそうです。
① 一般的なフォルケホイスコーレ
宗教は入学条件ではなく、キリスト教徒である必要もなく、イスラム教徒、無宗教など、様々な背景の学生が参加できる。
② キリスト教系のフォルケホイスコーレ
キリスト教を学校理念の一部にしている学校があるものの、必ずしも「キリスト教徒だけが入学できる」という意味ではないそうです。ただ、学校によっては礼拝、聖書、キリスト教的な価値観などが教育活動※に含まれるとのこと。
※)礼拝などへの参加が義務かどうかは学校ごとに異なるようです。
③ 特定の思想・宗教を強く掲げる学校
宗教、芸術、環境、政治などを学校の特色として明確に打ち出しているところもあるそうです。
全般的に「宗教的中立」ではなく「思想の多様性」を認める制度だという特徴があるようです。
「特定の知識を注入する」のではなく、人間が自分自身で考え、他者と対話するという考えがあり、宗教についても「キリスト教を信じなければならない」というより、「キリスト教を含め、人生・宗教・倫理について自分で考える」という方向なのだそうです。
6)利用者の割合
「デンマークの若者の何割が一度はフォルケホイスコーレを経験するか」について、現在の公式統計から単純に「○割」と言える数字は見当たらないようです。
フォルケホイスコーレはかなり重要な存在ですが、若者の大半が経験する制度ではなさそうです※。
・2025年の長期コース(12週間超)の参加者は 9,580人。
・長期コースの中心は20~24歳。
・フォルケホイスコーレ協会は「年間およそ1万人が数か月の長期コースに参加」と報告。
※)デンマークの20~24歳の人口は約38万人。これを5で割ると1歳あたり73,000人。若者のうちの14%程度が参加していることになります。ただし、複数回参加者を想定していない計算です。
「多くの若者が経験する国民的な必修コース」ではなく、一定数の若者が大学進学・就職などの節目に、自発的に数か月参加する伝統的な教育機会と考えるべきのようです。
なお、デンマークでは14~18歳の若者の約20%が経験する「エフタースコーレ(efterskole)」という別の全寮制学校があるそうです。フォルケホイスコーレとは別制度ですが、グルントヴィの教育思想の影響を受けている※とのこと。
※)フォルケホイスコーレと合わせると約35%の若者がグルントヴィの教育思想の影響を受けているということになりますかな。
《《《《《《《《ここまで《《《《《《《《
「民主主義や人生について学ぶ」という制度をデンマークではそれを社会的に価値のある教育期間として公的に支える仕組みがあるというのは、民主制の欠陥(衆愚化⇒僭主政)を強く認識し、それを防ぐ手立てを制度化しているとも考えられます※。
※)多数決を絶対視してしまう某国とは異なる深い思考ですな。その国では議論を排除する傾向もあるようですが、、。
他方、生徒と教師の共同生活そのものを教育の一部としていると聞くと、やはり、「教師の家庭生活を犠牲にしているのでは?」※と考えてしまいます。
※)インドのグルルカ方式や日本の仏教教育の場合には「宗教」という要因がプラスされますので、献身的な教師像は想像しやすいのですが、、。
この点をさらに深掘りしてみたいと思います。
なお、フォルケホイスコーレはFolk High Schoolという形で日本を含む各国に飛び火しているようです。こちらにはフィンランド、フランス、ドイツ、スイス、オーストリア、アイスランド、リトアニア、ノルウェー、ポーランド、スペイン、スウェーデン、ナイジェリア、米国の例が紹介されています。
次に続きます。




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