ste27: 科学技術教育について_27_夏休み自由研究の分析2

(抜粋)前回は夏休み自由研究の実態を調べた結果をご案内しました。その調査においては課題内容の分布に主眼を置きました。 ところが、子供たちの取り組み方についての調査が抜けていたことに気付きましたので、再調査を行いました。

焼津天文科学館の名誉館長だった松本零士氏。こちらから転載させて頂きました。
藤枝市の郷土博物館・文学館。こちらから転載させて頂きました。

 本シリーズでは筆者の視点から「科学者や技術者を育成する上で必要では?」と考えられる点を列挙してきました。

 前回は、夏休み自由研究の実態を調べた結果のご案内でした。

 調査においては課題内容の分布に主眼を置きました。

 ところが、子供たちの取り組み方についての調査が抜けていたことに気付きました。

 例えば、何日くらいかけるのか、親の助けは如何程か、どこで行うことが多いのか、、などです。

 今回は、これらを俯瞰することにしました。

 例によってChatGPTに質問する形で調査を進めました。

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0)はじめに
 ChatGPTが調べてみると、夏休みの自由研究には意外に大きな個人差があったようです。複数の調査を総合すると、かなり実態に近い姿が以下のように見えてきたとのこと。

・小学生:2~3日程度で仕上げる子が多数。ただし親の関与は非常に大きい。
・中学生:より自主的になるが、なお半数程度は親の助言・支援を受ける。
・場所:基本は家庭が中心。ただし、観察・調査型では屋外や図書館・博物館等を利用する。

1)自由研究に必要な期間・日数
(ア)小学生の場合
 比較的信頼できる大規模調査として学研教育総合研究所の調査があり、それによると以下の通り。

 自由研究を終えるまでの日数とその割合は、

・半日~1日 34.7%
・2~3日 39.9%
・その他 約25%

であり、小学生の約4人に3人が3日以内に完成させているようです。全学年平均は、3.2日。

 これはかなり興味深い数字で、「夏休みの自由研究」という表現からは夏休みの長期間を使って研究するイメージがあるのに対して、実際には短期間で仕上げる子供たちが圧倒的に多いということを示唆しています。

(イ)小学生の学年による違い
低学年ほど短期間で、例えば、

・小学1年生:「半日~1日」が41.8%
・小学2年生:「半日~1日」が45.3%

であり、高学年になるほど日数をかける傾向があるようです。特に小学6年生女子では、7日以上かける子供たちが20.3%。したがって、

・低学年:1~3日
・高学年:2~7日程度

が一つの目安に。

(ウ)「二極化」
 2024年の「いこーよファミリーラボ」の調査では、自由研究にかける期間は、

・2週間程度が最も多い
・1日以内で終える家庭も多い

という結果。つまり、「短期間で完成させる家庭」と「数日~数週間かけてじっくり取り組む家庭」に分かれる傾向があると考えられます。

 ただし、調査対象が「自由研究・自由工作に積極的に取り組む家庭」を含んでいることも影響しているようです。

(エ)時間数
 残念ながら全国的な大規模調査で「平均○時間」と示した資料は見当たらないようです。

 日数の調査から推測では、

(a)簡単な工作・実験:2~5時間程度
 テーマ決定⇒材料準備⇒実験・制作⇒写真⇒まとめ

(b)一般的な自由研究:5~10時間程度
 数日に分けて、調べる⇒観察する⇒実験する⇒記録する⇒模造紙などにまとめる

(c)本格的な観察・研究:10~30時間以上
 例えば、毎日の植物観察⇒昆虫観察⇒気象観測⇒水質調査⇒地域史調査などは、数週間かかることも。

2)親のサポート
 非常に明確なのだそうです。

 小学生では「親の関与」が非常に大きいようで、2025年のベネッセの全国調査の結果は次の通り。

・一部を手伝う 48.8%
・テーマ選びからまとめまで手伝う 24.3%
・手伝わないがアドバイスする 21.3%
合計:何らかの関与 94.4%

 学研による別の調査でも、

・テーマを一緒に考える 62.6%
・作業を手伝う 34.6%
・考察について助言 28.2%
・本やキットを一緒に探す 26.9%
・施設やイベントに連れて行く 23.1%

となっていて、「全く手伝わない」はわずか5.7%。

 現在の主流は、「親子でテーマを考え、子どもが主体となって行う」という形のようです。

3)中学生の場合
 中学生については、小学生と比較して最近の詳細な調査が多くないものの、明光義塾系の調査では「中学生でも5割以上の保護者が自由研究をサポート」していたようです。

 別の調査でも、

・アドバイス
・必要な材料の準備
・テーマ選びの相談
・図書館へ同行
・記録・写真の補助

などを親が行っているそうです。

 ただし、小学生に比べれば、「自分でやる」割合が増える傾向はあるようです。

4)実施場所
 これは非常に興味深い注目点のようですが、「家庭中心」が基本とのことです。

(a)最も多いのは自宅
 特に、
・工作
・簡単な科学実験
・インターネット調査
・本を使った調べ学習
・料理
・観察記録の整理
などは、ほとんど家庭で行われるようです。

 2024年の調査では、自由研究について「自分で材料を調達して行う」という家庭が64.7%で最も多く、市販キットやイベント参加は少数派だったそうです。

 このことからも「家庭を拠点として行う自由研究が主流」と考えてよいようです。

(b)外に出かける場合
 一方で、テーマによっては外出するとのことです。代表的な場所は、次の通り。

① 自然の中
・川
・海
・山
・公園
・田畑
・自宅周辺

 テーマは、
・ 昆虫
・ 植物
・ 野鳥
・ 水生生物
・ 雑草
・ 気象
などとのことです。

② 図書館
 地域史や歴史、人物研究などでは重要。

 中学生になるほど「図書館+インターネット+書籍」という調べ方が増えるようです。

③ 博物館・科学館
 例えば、
・科学館
・博物館
・郷土資料館
・動物園
・水族館
など。

 ただし、こうした場所を訪れるだけではなく、「見学したことから何を調べるか」という形で自由研究に発展させるようです。

 学研の調査では、保護者の23.1%が「施設やイベントに連れて行く」と回答しているそうです。

5)キックオフのタイミング
 2023年の「いこーよファミリーラボ」の調査(自由研究を行った子ども、n=430)では次の結果だったそうです。

・夏休み前 8%
・夏休みに入ってすぐ~前半 約35%
・夏休み半ば 41%
・夏休み後半 16%

 「半ば」41%が最も多く、「半ば+後半」で57%だったようです。

 したがって、「自由研究は8月下旬に追い込まれて始める子が大多数」というイメージとは少し違い、ピークは夏休みの中頃という結果とのことです。

《《《《《《《《ここまで《《《《《《《《

 親の関与が非常に大きいことは予想通りでしたが、実施期間が想像よりもかなり短い場合が多いことに若干の驚きを覚えました。

 これは推測ですが、「親の関与できる時間が制限要素」になっているのではないでしょうか?

 核家族で共働きが基本となっている現在、それは仕方のないことですが、「夏休み自由研究」の名称からは看板倒れのようにも思えます。

 親御さんがきっかけを与えて、子供がそれを長期間に進展させるという理想も、8月中旬以降にキックオフでは締め切りによる時間制限も加わります。

 科学技術教育を「夏休み自由研究」に取り入れてもらう余地はこの辺りにありそうです。

 このシリーズはこちらに続きます。また、このシリーズの初回はこちらです。

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