lnr008: リニアモーターカーの分析 08 リニア新幹線車両の最高速度とその限界

リニア新幹線の先頭車両。ノーズが長いのは脱調対策でしょうか?こちらから転載させて頂きました。

本シリーズではリニアモーターカーの分析研究を進めています。

前回はリニア新幹線の推進力の源を考察し、車両速度と推進コイル電流周波数が一対一の関係にあることを指摘しました。

今回は、その関係をもう少し突き詰めていきます。

ここで、リニア新幹線の車両の台車に埋め込まれている超伝導磁石の間隔をL(m)とします。

超伝導磁石はS極とN局が交互に外側に来るように配置されていますので、推進コイルの方もそれに合わせて電流の向きを反転させる必要があります。

推進コイルには交流電流が流されますので、電流の向きが反転する頻度は電流の周波数の2倍と一致します。一周期の間に2度向きが変わるからです。電流の周波数をF(Hz)とします。

従って、電流の向きが一方向に保たれる時間は1/2Fとなります。

この時間の間に車両はLだけ進みます。

従って、車両の速度は2FL(m/s)となります。

リニア新幹線ではL=1.35mと設定されているようなので、F=51Hz の時に時速500kmとなります。

それ以下の速度の時は、Fを低くするようです。

この周波数の変化は車両の運転席から行うのではなく、外部の制御系が行うようです。もしかすると、運転手は不要なのかもしれません。

一般的な同期電動機では負荷が急激に増えると脱調という現象が生じて、最悪の場合に回転が停止します。

リニア新幹線でも車両の速度と推進コイル電流の周波数がずれてしまうと、脱調が起きそうです。

強い向かい風などによる負荷の急増で脱調が生じないのでしょうか?

もしかすると、リニア新幹線の最高速度の限界値はこの「脱調」現象で定まっているのかもしれません。

つまり、速度上昇による風圧の急増により車両前進に必要なトルクが増え、推進コイルの磁界がそれに対応できなくなる速度が最高速という訳です。

交流電流の周波数制御はサイリスタなどの電力用半導体を以って変電設備で行うようです。

もちろん、全線を一様に制御するのでは品川名古屋間に一編成だけという超過疎ダイヤとなってしまので、一定区間のみの交流電流周波数を制御するように変電設備を多数配置するようです。

また、変電設備から各推進コイルまでの電力伝送効率も考慮する必要があります。

もちろん、周波数が高くなれば高くなるほど、距離が長くなれば長くなるほど、効率は低下します。

以上の要素が定める総合値としての最高速度が時速605kmなのだと理解されます。

このシリーズはこちらに続きます。また、このシリーズの初回はこちらです。

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