
自動車プリウスの回生ブレーキは周囲の停電とは無関係に効き、回生された運動エネルギーは電池に蓄えられるようです。こちらから転載させて頂きました。
本シリーズではリニアモーターカーの研究を進めています。
ここ数回はリニア中央新幹線(以下リニア新幹線)の技術の深掘りをしています。
前回はリニア新幹線の最高速を定める要素を考察しました。
理論的にはガイドウエイと呼ばれる線路に埋め込まれた推進コイルの間隔とそこに供給される三相交流の周波数、その二つの数量の積に車両速度が比例することを理解しました。
車両の空気抵抗などの負荷による同期の脱調や交流電流の周波数の上限が最高速を定めるものと考察しました。
さて、今回はブレーキです。
一般に、高速車両に求めらるのは加速性能と同等のブレーキ性能であることは多言を要しません。
自動車のF1レースカーや高級スポーツカーでも優良なブレーキ性能が不可欠とよく言われます。
多くの場合、ブレーキ効果には車輪と線路ないし道路との間の摩擦力が用いられます。
磁気浮上で車両が接地していないリニア新幹線では摩擦力は使えません。
では、どのようなブレーキが用いられるのでしょうか?
答は意外と簡単で、加速に用いた磁力が用いられます、極性を逆にして。
推進コイルに流す三相交流電流のプラスとマイナスを逆にすれば静止力になります。
これを逆位相電流と言います。
ただし、要注意点があります。
「減速すべき編成のみに逆位相電流を流す」必要がある点です。
つまり、当該の編成の前後を走行している編成には別の三相交流電流が流れる推進コイルをあてがう必要があります。
これは加速の際も同様です。
つまり、ひとつひとつの編成に対してそれに対応した「限られた区間にだけ必要な三相交流電流を流す」給電システムが必要ということになります。
この「限られた区間」の前後では、別の編成のための別の三相交流電流が供給される必要があります。
結構に複雑です。
また、リニア新幹線では回生ブレーキが利用できるとされます。
一般的な電車の回生ブレーキとは次のようなものですが、これがリニア新幹線でも利用できるというのです。
減速時に車輪の減速トルクを利用して電動機において発電を行い、それを直流にした上で架線に戻し、戻された電力を他の電車が利用するという仕組みです。
リニア新幹線では、しかしながら、周波数変換※を施した上で三相交流送電線に電力を戻すことになり、複雑度が高いものとなります。
※)「減速=周波数低下」となるためです。
停電の時には推進コイルの電流が停止しますので、このブレーキが正常動作するかどうか、要検討でしょうか?
さらに、リニア新幹線では万が一に備えて、車輪ディスクブレーキや空力ブレーキも併用されるようです。最高速度で停電が生ずると制動距離が延びるということでしょうか?
このシリーズはこちらに続きます。また、このシリーズの初回はこちらです。
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