lnr017: リニアモーターカーの分析 17 リニア新幹線のトンネル(3)

 鉄道・運輸機構によるNATMの説明図。こちらから転載させて頂きました。

リニア新幹線の南アルプストンネルではNATM(新オーストリアトンネル工法)による工事が必須ということが分かりました。

NATMによるトンネルは断面図に示されるようにハリネズミような形状となるようです。

今回はNATMを深掘りしてゆきます。

以下はWikipedia記事の転載です(「てにをは」を補正してあります)。

》》》》ここから
NATMは長大山岳トンネルが多数建設されているオーストリアで、1960年代に同国のトンネル技術者のラディスラウス・フォン・ラブセビッツ、レオポルド・ミュラー、フランツ・パッヒャーらの3人が提唱した。日本では熊谷組が導入して1970年代から施工されるようになった。

トンネルは土や岩盤の圧力の地圧が高くなるほど崩壊する危険性が高まる。従来の山岳トンネルは、トンネル壁面に骨組みとなる支保工を組み、掘削した壁面との隙間に木板や鉄板の矢板を挟み、完成形となる覆工コンクリートを打設するまで掘削した断面を支持していた。しかしながら従来の支保工では強大な地圧には対抗し得ず、完全には落盤事故を防ぐことができなかった。日本においては膨張性地圧による支保工の変形に悩まされた上越新幹線の中山トンネルにて本格的に採用された。本工法は、地圧を利用して周囲の地層を一体化することでトンネル掘削断面および掘削面双方の安定性を得ている。

工法例
1)ダイナマイトによる発破や機械などで掘削し、土砂を外部へ排出する。必要に応じて支保工を作る場合がある。
2)速やかにコンクリートを吹き付け壁面を固める。
3)コンクリートから地山内部へ向け、トンネル中心部から放射状に穴を開けてロックボルトを打ち込む。ロックボルトと吹き付けたコンクリートで、トンネル壁面と地山とが一体となって強度を得る。
4)覆工コンクリートによってトンネル壁面を仕上げる。
》》》》ここまで

さて、ここで支保工の中の「ロックボルト」に注目してみましょう。

ロックボルトは私が「ハリネズミ」と称したトンネル断面構造の「ハリ」に相当します。GROKさん(3)に調べてもらったところ、その長さは6mにも達するようです。南アルプストンネルではもっと長くなる可能性があります。

南アルプストンネルでは内径が通常の1.4倍ですので、ロックボルトの長さもその割合で延びると仮定します。8.5mです。南アルプスはもろい砂礫層で有名ですので、もっと長いロックボルトが必要となるかもしれませんが、取り敢えずこの数値を用いることにします。

とすると、ハリネズミの針の届く範囲はトンネル中心から半径17mに及ぶことになります(コンクリート壁厚さを140cmと仮定)。これが与える保水層破壊断面積は約900㎡となります。従来トンネルの約85㎡の10倍以上です。

南アルプストンネルはその断面において尋常ならぬ破壊的トンネルとなるのでしょうか?


このシリーズはこちらに続きます(最新記事がアップされたらそちらが表示されます)。また、このシリーズの初回はこちらです。

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