
カメラの出発点のカメラオブスキュラ。こちらから転載させて頂きました。
このシリーズでは科学技術分野に特化した教育論を論考しています。
前回は広義の科学技術に含まれるべき学術分野の第四として語学と社会学を取り上げました。
世界を相手とする科学技術分野では、世界と伍するために語学が求められます。また、日本とは異なる考え方が一般的な外国の社会を理解する力量も社会学から得る必要があります。
さて、今回は歴史と科学史にスポットライトを当てることにします。
「歴史」も膨大な学問分野なので、科学技術を学びながら歴史を網羅的に学ぶのは大変です。
ですが、科学技術が人々の生活に如何様に生かされてきたかを俯瞰する目は習得して欲しいところです。
特に「役に立つから人々が愛用した技術」「それによって社会がどのように変化したか」を歴史から知ることが、現在の科学技術に投影されればその未来の予測や設計に役立つはずです。
多くの場合、「上から与えられた科学技術」ではなく「皆が使ったから普及した科学技術」であったことが分かるはずです。当たり前ではありますが、、、。
そうでない科学技術が普及に苦戦したり社会に被害を与えたりする理由も理解できるようになるはずです。
「科学史」はちょっとなじみが薄い学問かもしれません。
数千年の科学技術の歴史を扱う部分もあれば、特定の技術に焦点を当てて近代から現在に至る流れを分析する学術領域もあります。
前者についてはざっくりと把握しておく必要があるでしょう。
島田市と縁深い朝永振一郎博士が名著「物理学とは何だろうか」で指摘されているように、科学技術の発案と実用との間の期間が20世紀になって短縮化されたという事実を見つめることも必要でしょう。
後者については、科学者や技術者が自ら担当している技術の歴史的位置づけを探る際に役立つと思われます。
私が自身を鼓舞する際に思い浮かべた例をひとつ挙げておきます。
それはコピー機の発案から実用への経緯です。米国で発明されたコピー機ですが、ゼロックス社が拾い上げるまでの数年間、発明者が企業に売り込みに行っても相手にされることは全く無かったそうです。今では使わない人はいないコピー機ですが、端緒ではそういうこともあったのです。
また、私は「カメラの発達の歴史」を調べたことがあります。私の発明した「電波を映し出すカメラ」がどのような位置づけになるか興味があったからです。
最初は画家のツールとして生まれたカメラも、フィルム技術の発達とともに室外に持ち出され、様々な場面を記録に残す手段となりました。そして、今はネットで全世界につながっています。写す対象も光の分布や濃淡だけでなく、X線やら超音波やら磁気共鳴信号やらを用いたイメージング技術に展開されています。
このシリーズはこちらに続きます(新しく投稿されるとそちらに飛びます)。また、このシリーズの第一回目はこちらです。
コメントを残す