
大日山瞰川寺の鐘楼。

鐘楼の鬼瓦。中央に「大日」の文字が造形されています。

落羽松のふかふか絨毯。鐘楼調査の際に撮影しました。
このシリーズでは大日山瞰川寺の境内にある石碑と御地蔵様をひとつひとつご案内していましたが、タイトルを少し変更して「石碑と御地蔵様」から「石碑石像と建築物」としました。建築物にも歴史的に貴重なものがあるためです。
今回は鐘楼です。
鐘楼にある釣鐘には秘話がいくつかあるようですが、今回は建築の方に注目します。
大日山瞰川寺の鐘楼は「吹き放し鐘楼」というタイプです。柱と屋根だけで鐘を吊るす簡素な形式で、江戸時代も地方寺院を中心に多く造られたとのこと。
長所としては、材料が少なく、音がよく通ることが挙げられるそうです。短所は風雨で傷みやすいとのこと。
地方の曹洞宗・真言宗寺院で多く確認される形式でもあるそうです。
さらに、屋根の構造に目を転ずると入母屋造(いりもやづくり)であることが分かります。寄棟に妻面を加えた形です。
吹き放し鐘楼に用いると装飾性が高くなり、格式を示すことになるそうです。屋根が大きく、寺格を感じさせるという特徴があるようです。江戸中期以降に増加したそうです。
大日山瞰川寺の鐘楼は、屋根の下はシンプルですが、屋根はとても風格があります。
さて、屋根の鬼瓦に目を転じてみましょう。
上の写真のように中央に「大日」の文字が作り込まれています。
一般に、真言宗系寺院では、本尊または守護仏の種字(※・梵字)・略字(和字化された合字(2文字以上の文字を1文字として表記する文字))を鬼瓦、懸魚、棟札、扁額などに刻むことがあるそうです。また、江戸後期は寺院装飾が最も洗練され、特に種字瓦・文字瓦が多く作られた時期なのだそうです。
※)真言宗での種字とは仏尊を象徴する一音節の呪文のことだそうです。
鐘楼は寺院の中で重要な象徴的建築のひとつであるため、本尊の加護を表すために 大日如来の種字を刻んだ瓦 が置かれたと考えるのが最も自然とのことです。 鐘楼が「仏の法音」を広める建物だからと考えられるようです。
大日山瞰川寺の鐘の音が周囲に響くとき、大日如来の「金剛界(智慧)」と「胎蔵界(慈悲)」が遍く届けられるのではないでしょうか?
このシリーズはこちらに続きます(最新記事がアップされたらそちらが表示されます)。また、本シリーズの初回はこちらです。
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