
土の運動場ではこの程度の掘り返しは日常茶飯事。こちらから転載させて頂きました。
前回は「毒性の土壌半減期」と題して除草剤の毒性が低減する期間を洗い出しました。
土壌に浸み込んだ除草剤の毒性が半分となる期間のことです。
除草剤の中にはこれが100日に及ぶものもあるようです。
この場合、「100日を経ても地中の毒性が半分にしかならない」ということになります。
年に一回の使用であっても、散布量の10分の一程度の毒性が年々蓄積されてしまうということになるのでしょうか?
この点に関しては次のような注意喚起が一般的です。
1)人が触れて健康影響が出るのは主に散布直後
2)乾燥後の接触リスクは大幅に低下
3)土壌中に残っても「暴露経路」がなければリスクは低い
この注意喚起は「除草剤は乾燥さえすれば無害となるだろう」という迷信に通じてしまいます。
要注意なのは「土壌中に残った除草剤の『暴露経路』がある」場合です。この迷信が通用しない場合があるという点です。
この問題意識から、筆者はChatGPTに「土の運動場では掘り返しがあるのでは?」と質問してみました。
以下は、その回答を整理した内容です。
》》》》ここから《《《《
土の運動場では「掘り返し」は十分に考慮すべき要因で、
》スライディング
》スパイクによる掘削
》転倒や接触
》砂ぼこりの吸入
が起きる場所では、土壌中残留の再曝露が問題になると考えるべきのようです。
⇒筆者の経験ではトンボ(土ならし・レーキ)を用いて地面を均す作業も要注意です。特に、雨後の使用で凹凸ができた地面を均すには相当な量の土を掘り返す必要が生じます。
【掘り返しを考慮すべき理由】
1)表層集中
》多くの除草剤は土壌表層 0~5cmに集中するそうです。
⇒これが要点ですね。
》運動でこの層が常に攪拌されるため、皮膚接触、口への土壌付着(特に子ども)、粉じん吸入の可能性が生じるとのこと。
⇒サッカーのような激しいスポーツでは成人であっても「土を噛む」ような場面があります。
⇒野球のヘッドスライディングやスライディングキャッチは、一般人にはかなり特殊な場面とは思われますが、皆無とは言えないと考えられます。
2)系統による違い
2-ア)土壌吸着が非常に強いもの
》例:パラコート
》》分解は遅いが土壌に強固に吸着し皮膚接触の可給性は低い。それでも運動場使用は基本的に不適。
2-イ)土壌残効型(やや長い)
》例:アトラジン、ジウロン、オキシフルオルフェン
》》半減期30~100日以上で、掘り返し環境では数か月の残留を考慮すべき。
2-ウ)比較的分解が早いもの
》例:グルホシネート、2,4-D、メソトリオン
》》数週間程度で大きく減少。
2-エ)グリホサート系
》例:グリホサート
》》土壌に強く吸着し、微生物により分解される(数週間~2か月)。運動場では散布直後~1か月程度は保守的に考えるべき。
⇒運動場の土の中に微生物が豊富だとは考えにくいのですが、、、。
【運動場での実務的な考え方】
通常の環境リスク評価では次の要素で安全性を考えるようです。
》土壌摂取量(子ども 50~100mg/日想定)
》体重あたり摂取量
》ADI(許容一日摂取量)
》》考慮すべき期間は?《《
土の運動場を使用禁止とする期間の目安は以下の通り。
》接触型・分解早い:2~4週間
》中程度残効:1~2か月
》効長い:2~3か月以上考慮
ただし、濃度依存も考慮すべきとのこと。
【参考とすべき重要な実務判断】
文科省や自治体の学校運動場運用の多数派:
》原則として長残効型は使用しない
》使用する場合は長期休暇前
》可能なら物理除草を優先
文科省や自治体の判断基準に沿えば、地域の土の運動場では「長期休暇」は無いので、接触型や高分解速度の場合ですら「使えない」ということになります。
「弱い(軽い)除草剤」と認識されているラウンドアップ(グリホサート系)であってもNGという判断です。
次回に続きます。
》》》》このシリーズはこちらに続きます(新しく投稿されるとそちらに飛びます)。 このシリーズの初回はこちらです。
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