dbme019: 大日山瞰川寺の石碑と御地蔵様(19)千手観世音 その4

大日山瞰川寺の千手観世音の左手。

このシリーズでは大日山瞰川寺の境内にある石碑と御地蔵様をひとつずつご案内しています。

前々回前回は千手観世音像の再調査の結果を記しました。前々回は冠のお顔と土台に刻まれた文字、前回は右側の手とその持ち物を判明した範囲内で紹介しました。

今回は左側の手とその持ち物を見てゆきます。

右側の手と同じように内側に3本、外側に9本が認められます。

内側の下側の2本の手は左側の手と組み合わされ、宝鉢(ほうほつ)を持ち、合掌印を結んでおられます。上側の手も左側と同様に蓮華(れんげ)を抱えておられます。こちら側は紅色の蓮華とするのが普通のようです。紅蓮華(ぐれんげ)と呼ばれ、天上に通じる慈愛の象徴で、開いた蓮は悟りを開いた如来を示すそうです。本像のそれは蕾のようです。ちなみに、テレビアニメ「鬼滅の刃」の主題歌も紅蓮華というようです。

外側の手に注目してみます。多少の修理が施された跡が見られます。

最上位の手は戟矟(げきしょう)と呼ばれるものをお持ちです。仏敵を追い払う武器ですが、五穀豊穣を授ける法具でもあるそうです。

上から2番目、4番目、6番目の手は安心を意味する施無畏印(せむいいん)です。

上から3番目の手は日輪を掲げておられます。闇を照らす法具だそうです。

上から5番目の手は、おそらく、三鈷杵(さんこしょう)を握っておられます。仏法を守り煩悩を打ち砕く法具だそうです。

上から7番目の手は、おそらく、払子(ほっす)を握っておられます。はたきの形をした法具で、煩悩や障害を追い払ってくれるそうです。

上から8番目の手は布のようなものを握っておられます。おそらく、五色雲(ごしきうん)ではないでしょうか?仏の智慧を象徴する五色の雲のことで、不老不死を得るとされているそうです。

最も下の手は何かを握っているように見えます。修繕により削られてしまった可能性もあるのですが、おそらく、羂索(けんじゃく)ではないでしょうか?苦しむ人々を救う法具だそうです。


大日山瞰川寺の千手観世音像はこちら側もとても精緻に作られています。石像の千手観世音としては特別に精緻と思われます。実物を是非ともご覧頂きたいと考えます。


このシリーズはこちらに続きます(最新記事がアップされたらそちらが表示されます)。また、本シリーズの初回はこちらです。

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