(抜粋) 「国境なき記者団」によるランキング上位国を調べた結果、ノルウェーに対する評価指数が断トツであることが判明しました。62位の日本を遥かに引き離しているのみならず、2位のオランダともギャップのある首位に立つ国、それがノルウェーでした。そこで、ノルウェーのメディアを深掘りしてみることにしました。

昨今、法律を無視して我が道を押し進もうとする輩が日本でも様々な階層で増えている状況を嘆き、このシリーズを始めました。
最終的には無法者の対処方法を歴史に学ぶことができれば自身に合格点を与えたいと考えています。
不調だった「メディアを沈黙から解放する手法」の調査を行った前々回を踏まえて、前回は手法を転換し、「国境なき記者団」によるランキング上位国を調べました。
結果、ノルウェーに対する評価指数が断トツであることが判明しました。
62位の日本を遥かに引き離しているのみならず、2位のオランダともギャップのある首位に立つのがノルウェーです。
そこで、ノルウェーのメディアを深掘りしてみることにしました。
例によってChatGPTに質問する形で調査を進めました。
基本となる質問は「国境なき記者団の評価の高いトップ はノルウェーで2位以下を引き離しています。メディアについてノルウェーはどのように他国と異なるのでしょうか?」でした。
》》》》》》》》ここから》》》》》》》》
0)はじめに
ノルウェーは「国境なき記者団(RSF)」の2026年世界報道自由度ランキングで、180か国・地域の中で1位。
しかも、2026年で10年連続の首位。2位のオランダの評価点は88.92点、ノルウェーは92.72点で、差は3.80点と大きい。
この差を理解するには、報道機関が政府を批判できるかどうかだけでなく、政府からの独立を支える法制度、メディアの経済基盤、報道機関の多様性、政治家と報道機関の関係を一体として見る必要があるそうです。
1)ノルウェーのメディア制度で特徴的な点
① 報道の自由を法制度で保障する
ノルウェー憲法は表現の自由と公的情報へのアクセスを保障しているそうです。
さらに、メディア責任法※や報道界の自主規制制度※※が、編集の独立性を支えているとのこと。
※)「編集者をメディア所有者や経営陣の編集介入から守る」と「編集者を報道内容に関する法的責任の明確な担い手とする」の二本立ての法律だそうです。特に前者により、メディア所有者や出版社経営陣であっても、個々の編集判断について編集者に指示を出したり、判断を覆したりできず、公開前に記事や映像を見せるよう要求することも、原則として認められないという制約となっているそうです※※※。
※※)報道機関が自ら倫理基準を定め、記事や放送がその基準に違反していないかを、業界が設けた独立的な審査機関で判断する仕組みだそうです。この審査機関PFUは政府や行政機関から「独立」で、報道業界から完全に独立しているわけではないそうです。委員は7名で2名が編集者代表、2名がジャーナリスト代表、残りの3名が一般社会の代表となっているとのこと。
※※※)某国には「人事で報復して以降の抑止力とする」という手法があるようですが、、。
政府が報道を尊重するという慣行だけでなく、法制度も組み合わさっているそうです。
② 公共放送が強いが、民間報道も存在する
公共放送NRKが全国規模の主要なニュース供給者である一方、民間テレビ局TV 2や、全国紙・地方紙・専門メディアも活動しているとのこと。
RSFによると、国内には約230の報道機関があり、公共放送だけに情報を依存するのではなく、複数の報道主体が存在する構造を有しているそうです。
③ 報道機関を経済的に支える
ニュース媒体への付加価値税をゼロにする措置や、報道機関への公的支援があるそうです。
こうした政策は、広告収入や市場規模の小ささだけで地方紙などが消えてしまうのを防ぎ、報道の多様性を維持することを目的としているとのこと。
重要なのは、支援することと、記事の内容を政府が決めることを分ける点。
④ 政治家が報道機関に介入しにくい慣行がある
RSFは、「ノルウェーの政治家は、批判的な報道を『フェイクニュース』と決めつけたり、ジャーナリストを攻撃したりすることが比較的少なく、公的支援を受ける媒体の編集部に政治家が介入することも避けられている」と評価しているそうです。
法律だけでなく、政治家の振る舞いもRSFの評価対象とのこと。
⑤ 市民が報道を利用し経済的にも支える
ノルウェー政府の2025~2030年の情報操作対策戦略によれば、国民の7割強が新聞、オンラインサービス、ラジオ、テレビなどから毎日ニュースを得ており、オンラインニュースに料金を支払う人の割合も国際的に高い水準とのこと。
社会から信頼される報道機関に読者が対価を払うことは、編集の独立を経済面から支える要素になるそうです。
2)他国との違いは、どこにあるのか
ノルウェーだけが特別な仕組みを持っているというより※、北欧諸国に共通する特徴がノルウェーでは「特に強く組み合わさっている」と見るのが適切だそうです。
※)①の中のメディア責任法を除いて「62位の日本でも形式上は、、」と感じた次第。
ノルウェーメディアの特色は、北欧諸国のメディア制度を研究する際に「メディア福祉国家※」モデルとして論じられる特徴とも重なるそうです。
※)「メディア福祉国家(Media Welfare State)」とは、福祉国家の考え方をメディア制度にも広げ、市民が所得や居住地などに左右されず、情報を得て、民主主義に参加できる環境を社会全体で支える仕組みを指すそうで、メディア研究者が用いる概念だそうです。日本ではあまり耳にしないような、、。
ただし、デンマーク、スウェーデン、フィンランドでは制度や政策の重点に違いがあるそうです。
3)ノルウェーの報道に問題はないのか
もちろん、そうではないそうです。
RSFも、ジャーナリストへの脅迫やオンライン上の嫌がらせ、政府による通信データ収集などが取材源の保護に及ぼすリスクのノルウェーにおける存在を指摘しているそうです。
報道機関の経営も、デジタル化や広告収入の減少という問題に直面しているとのこと。
RSFのランキングは報道の自由を多角的に評価する指標であり、個々の記事の正確性や、すべての報道機関の質を直接測定したものではないので、ノルウェーが首位だからといって、そこに誤報や偏向が存在しないわけではないそうです。
4)日本との比較で考えるなら
注目すべきは、報道の自由を「政府が検閲していないか」だけで考えないことだそうです。
ノルウェーの仕組みから考えられるのは、少なくとも次の三つの問いとのことです。
・制度上の独立:政府が報道機関の編集内容に介入しにくい仕組みがあるか。
・経済上の独立:広告主や大株主、政府の支援に過度に依存せず、報道を継続できるか。
・社会上の独立:政治家が批判的な報道を敵視せず、市民が異なる見解に接することを許容するか。
ノルウェーの特徴は、この三つを別々の問題として放置せず、法制度・メディア政策・政治文化・市民の行動が相互に支える形になっていること※だそうです。
※)筆者はこの説明に得心できず、「相互に支える形」の具体論について更問いをしました。それがノルウェー首位と日本62位の違いを生み出しているのではと考えたからです。この続きは次回に。
もっとも、これらの要因のうち、どれがランキングの差をどの程度生んでいるかを、RSFの順位だけから厳密に特定することはできないそうです。
特に重要なのは、公的支援を受ける報道機関が存在することと、政府が報道内容を支配することは同じではない、という点だそうです。
ノルウェーの事例は、報道の独立を守るために、政府からの距離だけでなく、報道機関が存続できる経済的条件や、政治家が編集に介入しない慣行も必要だと示唆しているとのこと。
《《《《《《《《ここまで《《《《《《《《
法律の専門家ではない筆者からは、上記説明だけでは「形式的には日本と大差ないのではないか?」と考えてしまいます。
日本にも、①報道の自由を保障する憲法がありBPO(放送倫理・番組向上機構)もあり、②NHKの他にも民間テレビ局や全国紙・地方紙・専門メディアも活動していて、③新聞への消費税優遇措置があり、④政治家の一部を除いて報道機関への介入を恥じる傾向があり、⑤多くの市民が報道を利用している、という形式的には上記のノルウェーとほぼ同じ要素があるためです。
メディア責任法の有無が大きな差を生んでいるのでしょうか?
次に続きます。
このシリーズの第一番目のポストはこちらです。同じく前回ポストはこちら、次回ポストはこちらです。




コメントを残す