lnr001: リニアモーターカーの分析 01 そもそも

従来型(回転型)モーターの固定子(右)と回転子(左)。こちらから転載させて頂きました。

定子と回転子を回転型からリニア(直線)型に変形させる模式図。こちらから転載させて頂きました。

大井川の徹底研究を始めたので、リニアモーターカーについても徹底研究をしてみます。
分析研究です。

リニアモーターカーとは「リニアモーター」を利用する「カー(乗り物)」です。

リニアモーターカーを理解するためには、まずは、リニアモーターを理解する必要があります。以下、原理的な説明が続きますが、リニアモーターカーの特質を理解するためには必要なのでご辛抱願います。

リニアモーターとは「リニア」な「モーター」という意味です。

「リニア」とは直線的という意味です。「モーター」はいわゆる電動機のことで、外からの電流で回転運動による動力を発生させる装置です。

賢明な読者の皆様は、ここで「直線的」と「回転運動」の矛盾にお気づきかと思われます。

モーター(motor)の語源はラテン語の「movere(動かす、動く)」だそうで、この言葉が古フランス語を経て英語に取り入れられ、「motor」という単語が誕生したとのこと。従って、元々は「回転運動」という意味は含まれていません。

ですが、モーターを動力源として工場などの生産現場に用いる際に、回転運動が基本の水車を動力としていた設備にそのまま使える、回転運動とした方が場所を取らない、などの理由によりモーターは「回転運動により動力を発生する装置」の形態となりました。19世紀のことです。

そのモーターを鉄道の車両に利用したのがいわゆる「電車」です。モーターの回転軸が電車の車軸とつながり車両の推進力となります。

モーターは一般に固定子回転子で構成されます。前者は回転しない部品、後者は回転する部品です。後者は動力を外部に伝える軸棒に固定されます。回転子が回転するとこの動力軸も回転します。これが回転軸となって発生した動力を外部への伝達します。

回転子の回転は固定子との間の電磁力によって得られます。電磁力とは磁界(磁石の力の源)と電流の相互作用によって生ずる力です。電流は磁界を作りますので、磁界同士(あるいは磁石同士)の力の作用と考えても間違いではありません。

固定子と回転子は回転軸を中心に一軸対称に配置されます。殆どの場合に固定子が外側に、回転子が内側に配されます。

リニアモーターではこの「一軸対称」を意図的に崩して回転子も直線状、固定子も直線状とします。回転軸は消失します。直線状の回転子は直線運動をしますので、動かしたい物体に回転子を直結するとその物体も直線運動をします。この「直線状に動く物体」を車両としたのがリニアモーターカーです。

動力を発生させる原理は従来と同じで電磁力です。

リニアモーターに連続的に動力を発生させるためには固定子を長い直線とする必要があります。リニアモーターカーではこれが線路となります。

固定子と回転子を直線状とすると鉄道の幾何学的形態と整合することが分かります。「固定子=線路」と「(回転しない)回転子=車両」です。

元来、場所を取らない、コンパクトな形状とすることができる、という特色を持って生まれた回転式モーターに対しては数十センチで済んでいた固定子を、数百キロに渡って延々と敷設しなくてはならないという明らかな経済的欠点を持つリニアモーターが鉄道応用に取り上げられたのには理由があります。その説明は次回に。

このシリーズはこちらに続きます。

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