lnr004: リニアモーターカーの分析 04 リニア中央新幹線の規格(1)

山梨県笛吹市を走る改良型L0系950番台。架線とパンタグラフがありません。こちらから転載させて頂きました。

前回はリニアモーターの利点とされる高速化について、従来式の鉄輪式高速鉄道TGV(フランス)と日本のリニアモーターカーとで試験走行最高速度を比べました。
ところが、現時点で5%しか速度に上積みがないと知り、思わず慌てふためき、混乱してしまいました。
「これで国際競争力が生まれるのか…」などと考えたのは秘密です。

申し訳ありません。深くお詫び申し上げます。

リニアモーターカーの第3のメリットというのがあることを、遅まきながら、最近知りました。磁気浮上と組み合わせると車輪に頼らなくても推力を得ることができるという利点を、高速化ではなく静寂化に利用するというものです。実際、愛知高速交通東部丘陵線(通称リニモ、路線距離8.9km)が2005年に開業しています。これについては別途考察してみたいと思います。

とまれ、今回からは、趣向を少し変えてリニア中央新幹線(以下、リニア新幹線)の規格などを調べてみたいと思います。きっと国際競争力の源泉が明らかになると思われます…。

ご存じのように、リニア新幹線は超電導磁気浮上式リニアモーターカー(SCMaglev)を採用した東京(品川)~名古屋~大阪を結ぶ高速鉄道で、JR東海が建設・運営を担当しています。

A)規格
1)最高速度: 505km/h(営業速度500km/h)
2)走行方式: 超電導磁石と地上コイルの磁力により車両を約10cm浮上させて走行。摩擦がないため(静止摩擦力に頼らないため)超高速走行が可能とされています。
3)路線: 品川~名古屋間(約286km)の開業を目指していますが、品川~大阪間(約550km)はさらに10年遅れる予定とのこと。
4)トンネル比率: 品川~名古屋間の約86%がトンネル区間とのこと。
5)車両: L0系改良型試験車を使用予定とのこと。16両編成で定員約1,000人

少し捕捉します。
1)試験走行での最高速度は603km/hだそうです。現行の「のぞみ」では試験走行最高速度320km/hに対して営業速度300km/hとしています。これに比較すると速度に余裕を持たせているようです。
⇒鉄輪式高速鉄道の場合は車両の改善により最高速度が更新されますが、リニア新幹線では、どうやら、線路側(ガイドウエイと呼ぶそうです)の規格で最高速度が定まってしまうようです。これについては別途考察します。

2)より厳密には、磁気浮上には電磁誘導方式が、推進力には地上一次リニア同期モータ方式がそれぞれ採用されているようです。詳細については別の機会に説明しますが、この方式では「原理的に」浮上と推進のための電力が車両側に不要となります。電力を車両に供給するために必要な架線とパンタグラフが無いのはこのためです(ここで、乗客の使う電力や超電導磁石の温度管理用電力はどうするのだ、、などと野暮なことを考えてはいけません)。

3)品川名古屋間をノンストップ40分とされますので、平均速度は430km/h程度となるようです(最高速はどこで出すのでしょうか?)。

4)トンネル以外が14%ということになります。どんな景色が肉眼ライブで見えるのでしょうか?地上走行総距離40km、時間にして総計5分半です。

5)中間部(先頭と最後尾ではないという意味です)の車両では長さ24.3m、車体幅2.9m、車体高3.1m、定員60名だそうです。のぞみのN700系が、それぞれ、25m、3.36m、3.6m、95名(概算)ですので、長さがほぼ同じ、車体幅と車体高が14%減というところです。乗り心地については客室の容積で比較しないと何とも言えませんが、横幅0.46m減は一列当たり一座席減でしょうし、天井も低めということになりそうです。先頭と最後尾の車両の定員は24名らしいので、16両編成としても定員は1000名ではなく890名程度となりそうですが、、、。

このシリーズはこちらに続きます。また、このシリーズの初回はこちらです。

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