lnr011: リニアモーターカーの分析 11 交通機関としてのリニア新幹線の特殊性(特異性?)

 リニア新幹線のガイドウエイ。こちらから転載させて頂きました。

このシリーズではリニアモーターカーの分析研究を進めています。

最初はリニアモーターカー全般の分析や地下鉄応用などを見てきました。

その後、リニア中央新幹線に目を転じて、その技術などを注視しています。

前回はリニア新幹線の複雑な給電システムを分析しました。

とにかく複雑です。

そこで、リニア新幹線の交通手段としての極めて特異な性質に気付きました。

今回はそれを論考してみます。


従来、人々は移動する必要が生ずると、徒歩、自転車、自動車、鉄道、飛行機などを利用します。

これら「移動手段」のほぼすべてに共通する「これまでの特徴」は次の点です。

1)移動手段の使うルートは共通
徒歩、自転車、自動車は道路、鉄道はレール、飛行機は空気。

2)移動手段の特質の違いはルートを使う側の違い
歩行者は多種多様、自転車も多種多様、自動車も多種多様。違いは移動体の方の違いで生じます。
鉄道でもレールはほぼ共通。速度や容量などの違いは列車側の規格で生じます。
空気は世界共通。速度や高度、利用目的などの違いは機体の特色で定まります。

3)発展性は主として移動体側の改善に依る
歩き方、自転車のメカ、自動車のエンジンやブレーキの進展で道路上の移動の質が変化します。
鉄道車両の改善で揺れが抑えられたり、スピードアップしたりします。旧来の新幹線でも、それぞれの路線で車両が異なりますし、同じ線路を様々な新幹線車両が共有しています。
飛行機の改善で空の旅が改善されます。目的地到達時間も短縮されたりします。
競争原理が働きます。

ところが、リニア新幹線は移動体のスペックではなく、線路側、すなわちガイドウエイのスペックで様々な特性が定まります。

これは、ある意味、すごいこと(大きな転換)です。

あなたが駅まで10分間の道のりを歩く際にそれを8分にしようと思ったら、道路を全交換する必要が生ずる、これがリニア新幹線の世界です。

非常に便利な「乗り換えなしの直通」もリニア新幹線の世界にはあり得ません。

大丈夫なのでしょうか?発展性のある交通機関と考えるのには無理があるのではないでしょうか?鉄道による貨物輸送がトラック輸送に凌駕された歴史が発展性の重要を示唆していると考えれば、この疑問の確からしさも自然と理解されると考えています。

このシリーズはこちらに続きます。また、このシリーズの初回はこちらです。

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