
地下90mのリニア新幹線トンネル。大内径です。こちらから転載させて頂きました。
前回はリニア新幹線の規格のおさらいをしました。特に、セキュリティ対策がリニア新幹線の運用の足を引っ張る可能性を浮き彫りにしました。
そこでは、リニア新幹線のエネルギー効率やセキュリティ対策に大きな影響を与える要素としてトンネルが浮上しました。
よって、リニア新幹線のトンネルを深掘りしてみたいと思います。
全く関係ありませんが、私は若い頃に「量子力学的トンネル効果」の研究を行い、それで工学博士を取得しました。土木工学的トンネルとは全く関係ありません。全く関係ありません。
リニア新幹線のトンネルは、基本的に単線トンネルとして設計されているそうで、双方向通行(上下線が同一トンネル内を共有)は通常採用されていないとのこと。つまり、トンネルは少なくとも二本並列に作られるということです。
南アルプスにはトンネルのための穴が少なくとも二本は空けられるということを覚えておきましょう。
《単線トンネルとする理由》
1)空気抵抗と圧力波の管理:リニア新幹線は最高時速500km/h以上の超高速で走行するため、トンネル内で発生する圧力波(列車が高速で通過する際に生じる空気圧の変化)が大きな問題となるとのことで、単線トンネルにすることで対向列車との干渉を避け圧力波の影響を軽減できるのだそうです。
2)安全性:単線トンネルは、緊急時の避難やメンテナンス管理が容易で、事故リスクを低減するのだそうです。
3)建設効率:単線トンネルは、双方向トンネルに比べて内径を小さくでき、建設コストや地質への影響を抑えられる場合があるそうです。
《リニア新幹線のトンネルの内径》
以下の主要な要素を考慮して決定されるそうです。
1)車両の寸法と走行空間:リニア新幹線は磁浮式(磁気浮上)鉄道であり、車両が浮上して走行するため、車両の外形寸法に加え、浮上高さや走行時の振動、気流の影響を考慮した余裕スペースが必要なのだそうです。トンネル内径は、車両が安全かつ安定して走行できるように十分な空間を確保するために設計されるとのこと。
2)空気抵抗と圧力変動:リニア新幹線は最高時速500km/h以上で走行するため、トンネル内では空気抵抗や圧力波(トンネル内を高速で走行する際に発生する圧力変化)が問題となるそうで、これを軽減するため、トンネル内径を大きくして空気の流れをスムーズにし、圧力変動を抑える設計が採用されるとのこと。
換気と冷却:高速走行による熱や空気圧の変化に対応するため、トンネル内には換気システムや冷却設備が必要とのことです。これらの設備を設置するスペースも内径に影響するそうです。
安全基準と避難経路:トンネル内には緊急時の乗客避難やメンテナンスのための通路や設備スペースが必要となるそうで、安全基準を満たすためにはトンネル内径にはこれらの要素も考慮されるとのこと。
5)建設コストと地質条件: トンネル内径が大きくなると、建設コストが増加し、掘削や補強工事の難易度も上がるそうです。そのため、地質条件や地域の環境制約を考慮しつつ、コストと性能のバランスを取って内径が決定されるとのこと。
要するに、リニア新幹線には「普通ではない大きな内径のトンネル」が用いられるということのようです。以下に具体例を示します。
《具体例》
リニア中央新幹線のトンネル内径は、JR東海の資料によると、標準的な単線トンネルで約13~14m程度とされていて、上記の要素を総合的に考慮した結果なのだそうです。従来の新幹線(在来線)のトンネル(内径約9~10m)よりも大きめに設計されているとのこと。ここで、内径とは直径を意味するようです。
トンネルの内断面積は従来の2倍です。トンネルの壁は通常よりも厚くなる(100cm超え?)はずですから、外径はさらにかさばるでしょう。
ということは、南アルプスの保水層を突き破る断面当たりの確率は従来の2倍以上となるはずです。これにさらにトンネルの長さが重畳されます。
このシリーズはこちらに続きます。また、このシリーズの初回はこちらです。
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