
「おはよう」の一場面。こちらから転載させて頂きました。
NHK-BSで小津安二郎監督の映画を見ました。「おはよう(1959年)」と「秋刀魚の味(1962年)」です。
小津監督はほかにもたくさんの映画を撮っておられるので、この二本だけから小津映画の全体を論ずる愚に陥らないようにしたいと思います。
ですので、この二つの映画に対する一視聴者としての感想を以下に述べます。
驚いたのはカメラの位置です。和室であれば座卓上面の高さ、土間であれば和室の畳面より少し低い高さ、これらの高さから登場人物をとらえます。
「飼い猫か飼い犬の視線を表現したいのかな」と最初は思いました。
ところが、小津監督をネットで調べたところ、カメラの安定性から低いアングルで撮影するようになったとのことです。「猫や犬は感情抜きの客観で登場人物を見ているのだろう」を前提とし、「当事者から少し離れた客観」を監督が表現したかったのではないかと勝手に感じた次第です。
次に、「そうだよな」と感じたのは、映画「おはよう」で登場した二人の兄弟の衣装です。
中学生の兄と小学校低学年の弟が全く同じ柄のセーターを着ていました。多分、母親の手編み、あるいはまとめ買いという設定でしょう。
当時としてはごく当たり前だったのではないでしょうか。そして、「ちゃんと」ひじの後ろには毛玉が付いていました。
近年のテレビドラマに感ずる大きな違和感の一つが衣装でした。
場面の設定が戦時中や貧困家庭であっても、役者さんがとても高級な衣装を纏っています。その時代にこんな柄や仕立てがあったのだろうか、、とも。
さすがの小津映画ではそんな不釣り合いはありません。
また、東野英治郎氏の「酔っ払い」の演技の絶妙さにはただただ脱帽です。二つの映画の両方で酔っ払いを演じておられましたが、まったく隙のない演技です。
東野英治郎氏と言えばテレビの水戸黄門役ですが、演技力という観点からは役不足だったのではないでしょうか?
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