(抜粋)筆者のいう小国主義(閉鎖的・非寛容)は、あくまでも「大国主義(戦略的寛容)の反義語」という机上の理屈でしかありません。ですが、「大国化を否定した国家運営」をしている例が実際に無いものか、、、と考えた次第です。




昨今、「狭量」と評するほかにないという人物、特に著名人が散見されます。
そこで、改めて「狭量」を本連載で考えてみることにしました。
前回は「寛容」と言われるオスマン帝国の(異宗教)政策について俯瞰しました。
その「寛容」は、近代的な宗教自由・法の下の平等ではなく、「イスラム教を頂点とする身分秩序の中で、異教徒が自分たちの宗教を維持して生活することを認める」という種類の寛容だったようです。
また、単なる宗教政策ではなく、「異なる宗教を持つ大量の住民を、改宗させずに帝国へ組み込む統治技術」だったという点が特筆されるということでした。
これに対する筆者の感想は「ある程度長続きする大国というのは、統治上の工夫を持つものだ」であり、それによって多民族や異文化が混在する大きな領域を包括できていたことを歴史が証明しているのではないか、というものでした。
そこから導かれる結論は「原理主義や排外主義は小国主義※に等しい」と言えるのでは、、でした。
※)類似の思想に石橋湛山の小日本主義がありますが、これは植民地経営の非能率をやめ、通商国家として繁栄する日本を目指すものだったそうです。筆者の「小国主義」はこれとは異なり、大国主義の反義語です。大国主義を「多民族や異文化が混在する大きな領域を包括する国家運営※※」とするならば、「小さな国でもよいので不寛容で閉鎖的な国家運営がよい」という位置付けがされる思想です。
※※)一歩間違えば、帝国主義、あるいは植民地主義ですな、、、。
筆者のいう小国主義は、あくまでも「大国主義の反義語」という机上の理屈でしかありません。
ですが、「大国化を否定した国家運営」をしている例が実際に無いものか、、、と考えた次第です。
例によってChatGPTに質問する形で調査しました。
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【基本質問】筆者は、多様な民族や宗教を受け入れる寛容が無ければ「大国」にはなれないと考えています。逆に「小さな国でもよいので不寛容で閉鎖的な国家運営がよい」としている国の例があればと考えましたので、教えてください。
そのような国が周囲に迷惑を掛けずに唯我独尊を貫くのであればそれを批判するつもりは毛頭ありません、もちろん。
ですが、実例として把握しておく必要があると考えました。
【回答】
0)はじめに
トルクメニスタンとエリトリアを候補にすることはできるそうです※。
※)両国ともに日本国内に大使館を設置し、日本も両国内に大使館を設置しています。外交代表レベルでは共に相互に大使館を置く正式な外交関係になっているそうです。
1)トルクメニスタン
トルクメニスタンは人口約750万人、2022年国勢調査では705.8万人だったそうです。
公式統計にはウズベク人約24.5万人など、複数の民族が存在することも確認できるとのこと。
トルクメニスタンは外部との人的流動性を非常に強く制限しているそうです。たとえば、
・ 国外への出国を政府が恣意的に阻止する
・ 海外在住国民へのパスポート更新を拒否する
・ 国内移動にも強い統制を加える
・ 2024年にも公務員にパスポートを提出させ、国外渡航を防ごうとした
といった政策が確認されているとのこと。したがって、トルクメニスタンは、
「異民族を排除する」というより、「国家社会を外部から隔離し、人の出入りそのものを国家が強く管理する」
というタイプの国家だそうです。
ただし、人口は現在のところ縮小していないそうで、 世界銀行の2025年推計では約762万人、人口増加率1.6%とのことです。
したがって、「閉鎖的 → 人口減少を受け入れている」ということではなさそうです。
トルクメニスタンにおける財の輸出は天然ガス・石油などの地下資源で年額124億ドル※、輸入は機械・設備・食料・医薬品などで同38億ドル。
※)日本が人口1億2000万人に対して財の輸出が約100兆円。1万人当たり対して80億円強と計算されます。トルクメニスタンは1万人当たり26億円なので、カスピ海に面しているとはいえ、内陸の国としてはかなりの水準と言えそうです。
人の出入りは制限しても、貿易は活発に行っているようです。
ChatGPTによれば、トルクメニスタンの人的閉鎖性は体制維持・情報統制の為だそうです。
初代大統領サパルムラト・ニヤゾフの時代(ソ連解体後の1991年に独立)に大統領への権力集中が進み、政治・メディア・社会への国家統制が強くなったそうです。
2)エリトリア
エリトリアには9つの民族集団が存在し、最大のティグリニャ人が約半数、ティグレ人が約31%、そのほかアファール、サホ、クナマなどが在住するそうです。
宗教もキリスト教とイスラム教が大きな二本柱。
つまり、「エリトリア=単一民族・単一宗教を志向する国家」と説明するのは適切ではないようです。
むしろ特徴的なのは、国外への人口流出が非常に大きいにもかかわらず、国家が社会を開放して人口を補充する方向には進んでいないことだそうです。
特に国家奉仕制度(national service)は、本来18か月とされたものが実際には無期限化され、これが逆に国外脱出の主要な要因の一つになっているそうです。
世界銀行の2025年データにおいてエリトリアは
・ 人口:約360.7万人
・ 人口増加率:+2.0%
・ 純移動:-6,698人
となっていて、出生による人口増加と国外流出が同時に存在するとのこと。
エリトリアの主要産業は農業・牧畜で、これらが国民生活を支えるものとなっている一方で、鉱物資源は輸出され外貨を得る糧となっているそうです。
ChatGPTによれば、エリトリアの人的閉鎖性は国家安全保障と軍事動員体制の為だそうです。
これを理解するカギは独立戦争とエチオピアとの戦争だそうです。
エリトリアは1993年にエチオピアから独立したものの、1998~2000年にはエチオピアとの国境戦争を経験。
これを契機として、国家奉仕が事実上無期限化。現在も、多くの国民が何年も、場合によっては数十年にわたって軍事・国家奉仕に従事させられていると報告されているそうです※。
※)とはいえ、UCI※※ロード世界ランキング 男子国別では現在19位にあり、42位の日本よりはるかに上位にいます。また、外国人観光を受け入れたり、2019年には第23回ISCOE東アフリカ会議※※※を首都アスマラで開催したりしていますので、「すべての分野で人的閉鎖性が高い」とは言えないようです。
※※)UCIとは国際自転車競技連合のことで、世界中の自転車競技を統括する国際団体。
※※※)国連アフリカ経済委員会(UNECA)が主催する法定の国際会議で、ICSOE(Intergovernmental Committee of Senior Officials and Experts )は 政府間高級事務高官・専門家委員会を意味するようです。
《《《《《《《《ここまで《《《《《《《《
非大国主義の上記二例には共通する要素があるようです。
一つは人的閉鎖性の理由が内政にあること。もう一つは閉鎖性を補填する鉱物資源が国内にあること。
天然資源に乏しい日本には到底まねのできない国家方針のように感じました。
次に続きます。




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