sstepa002: 超音速旅客機コンコルドの終焉

ブリティッシュエアウエイズのコンコルド。こちらから転載させて頂きました。

PANAMのジャンボジェット機。こちらから転載させて頂きました。

今回はコンコルドのことを述べてみたいと思います。

コンコルドと言っても駅前のパチンコ屋さんの事ではありません(笑)。
超音速で大空を馳せていた旅客機です。フランスとイギリスの共同開発のコンコルドはマッハ2(音速の2倍)を超す高速性が売り物の旅客機でした。

フランスのシャルルドゴール空港に駐機されているコンコルドを、私は上空から見たことがあります。
着陸間際のボーイング機からでした。ジャンボジェット機もすぐ隣に駐機されていて、両者の大きさを目視で比較することができました。率直なところ、「こんなに小さいのか!」と驚くようなコンコルドの機体でした。特に客席を収容する胴体部分がプロペラ機並みに細かったのが印象的でした。

それは、おそらく、コンコルドの最後の営業の頃だったと思われます。つまり、ジャンボジェット機との競争に負けたのが明確になった時期でした。
コンコルドは合計20機が生産されたそうです。同時期(初飛行が同じ1969年)にデビューしたジャンボジェット機の生産は1600機弱でした。ジャンボジェット機は80倍の需要という圧勝結果を手にした訳です。

コンコルドはニューヨーク・ロンドン間やニューヨーク・パリ間に就航していました。
ジャンボジェット機がニューヨーク・ロンドンの空港間を約5時間で結んでいたのに対して、コンコルドは3時間弱で飛ぶことができました。これほどの速度差があったのにコンコルドはなぜ80分の一の惨敗を喫したのでしょうか?

コンコルドではジャンボジェット機のファーストクラス並みの料金が設定されていたそうですが、座席はエコノミー席並みの狭さだったようです。お金で時間を買う必要のある層にはこれでもよいかもしれませんが、不満が出そうなコスパ条件です。

もう一つ要注意点があります。国際便の経験がある方にはご理解頂けると思いますが、飛行機での移動に必要な時間は「空を飛んでいる時間」だけではないという事情です。
ビジネス街のマンハッタン島(ウォール街やエンパイアステートビルがあります)から国際空港のJFK空港までは、私が経験した時の話ですが、交通渋滞が無くても車で1時間は掛かりました(現在(※)の状況は把握していません)。
ロンドン中心街(金融街のシティやバッキンガム宮殿があります)への国際空港のヒースロー空港からの移動にも同様の時間が掛かります。
加えて、パスポートや荷物の確認のための時間、空港到着余裕時間や税関の時間がこれに加わります。空港の中で費やされる時間です。コンコルドの乗客が出入国手続きや税関で特別扱いされることがあったかもしれませんが、それでも合計で2時間程度は必要だったでしょう。911事件以降は空港セキュリティが強化されたので、さらに長い時間が必要だったと思われます。

ここで、マンハッタン島からロンドン中心街までの移動時間を比較してみましょう。
コンコルドの場合は最短で7時間です。対してジャンボジェット機では最短で9時間です。
あなたならばどちらを選びますか?
私にお金が十分あったならばという非現実的な仮定の下で選択させてもらうのなら、ジャンボジェット機のビジネスクラスを選択します。
お金が無い場合には、もちろん、ジャンボジェット機のエコノミークラスです。
コンコルドに対しては「試しに一回乗って超音速を体験しておしまい」でしょう、ファーストクラス並みのお金が準備できればですが。
多くの人々がそのように思ったからこそ、コンコルドは終焉を迎えたのでしよう。

交通機関のビジネスは移動速度の高低だけでは優劣が決まらないということですね。同じ比較がJR東海のリニアモーターカーとのぞみの間にも成立してしまわないか、ちょっと心配している毎日です。「賢者は歴史に学ぶ」であってほしいところです。

※)2003年末からエアトレインJFKという新交通システムが運航しているようですが、マンハッタン島までの直接のアクセスは無く、途中で地下鉄やタクシー、バスへの乗り換えが必要とのことです。
⇒2026/4/12追記:NHK-BSで「Daddio」という映画を放映していました。邦題は「ドライブ・イン・マンハッタン※」です。ショーン・ペン主演の2023年米国映画ですが、JFKからマンハッタンまでタクシーで移動中に渋滞にはまる、、という内容でした。地上の移動は相変わらずのようです。
※)映画中の移動時間の大部分はマンハッタン島の外のはずですが、、、。

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