lnr026: リニアモーターカーの分析 26 諸外国の状況(2) 長距離応用 前半

中国の上海トランスラピッド。磁気浮上式リニアモーターカーだが、環境問題の制約で最高速度を時速300kmに抑えて運行中。こちらから転載させて頂きました。

ムンバイ – アフマダーバード間で進行中の日本の新幹線方式の鉄輪式高速鉄道。こちらから転載させて頂きました。

本シリーズではリニアモーターカーの分析研究を進めてきました。

総括のための終章の前に、諸外国の状況の俯瞰を試みています。前回は都市内、地域内、動物園内などの近距離応用を取り上げました。ほぼ全てが「提案はされるけれど、コストが見合わず」という現況のようでした。

今回は都市間などの長距離の応用を目的とする計画を俯瞰してゆきたいと考えます。今回も国名のアルファベット順で並べてあります。数だけは多いので、前半と後半に分けます。

中国
[1]北京 – 広州線(実験線):湖北省咸寧と湖南省長沙を結ぶリニア実験線(約200キロメートル)の建設が2020年に開始されるとのことでしたが、2025年(現)時点で実現されていません。長期計画にある北京 – 広州リニア実験線の一部となる可能性があり、広東省政府は2021年、香港と広州を深圳経由で北京までを結ぶリニア実験線の建設を提案したそうですが、結果は不明です。

[2]上海 – 杭州(延長):既存の上海リニアモーターカー(上海トランスラピッド※を、当初は上海虹橋空港まで約35キロメートル(22マイル)、その後杭州市まで200キロメートル(120マイル)延伸する計画でした(上海・杭州リニアモーターカー)が、システムからの放射線に対する国民の懸念から、当局によってプロジェクトは中断されたままのようです。。
※)磁気浮上式鉄道で上海市浦東新区内の竜陽路駅と上海浦東国際空港を結ぶ(約30km)。試験走行で501km/hに到達したが、環境問題のために現行最高速度は300km/hに制限されているようです。

[3]上海 – 北京:提案された路線は、上海と北京を1,300キロメートル(800マイル)にわたって結ぶものでしたが、具体的なプロジェクトは発表されていないようです。。

インド
[4]ムンバイ – デリー(道路距離1300㎞超):2005年頃、アメリカ企業がムンバイとデリーを結ぶプロジェクトを当時のインド鉄道大臣(ママタ・バネルジー)に提示したとのこと。当時のマンモハン・シン首相は、この路線プロジェクトが成功すれば、インド政府は他の都市間、そしてムンバイ中央駅とチャトラパティ・シヴァージー国際空港(ムンバイ)間にも路線を建設すると述べたそうですが、具体化されていないようです。

[5]ムンバイ – ナーグプール:2007年頃、マハラシュトラ州は、約1,000キロメートル(620マイル)離れたムンバイとナーグプール間の磁気浮上鉄道の実現可能性調査を承認したそうですが、進捗は報告されていないようです。ムンバイ – アフマダーバード間では日本の新幹線方式の鉄輪式高速鉄道が進行中との報告があります。

[6]チェンナイ – バンガロール – マイソール: チェンナイ(東海岸)とマイソール(西海岸に近い内陸部)をバンガロール経由で結ぶ路線(約500㎞)について、1キロメートルあたり2,600万ドルの費用をかけて時速350キロメートル(220マイル)で運行する詳細な報告書を作成し、2012年12月までに提出することになっていたそうですが、現況は不明です。

イラン
[7]テヘラン – マシュハド: 2009年にイランとドイツ企業はリニアモーターカーの運行に関する協定に署名したそうです。全長900キロメートル(560マイル)のこの路線は、テヘランとマシュハド間の移動時間を約2時間半に短縮する可能性があるとのことですが、進展は報告されていないようです。現時点で、中国の支援を受けて建設されているのは従来の鉄輪式の高速鉄道とのことです。


アジアでは、全般的に、「リニアは計画倒れで、結局は鉄輪式高速鉄道が選択されている」という状況のようです。

後半では、イタリア、マレーシア/シンガポール、月、英国、米国の状況をご案内する予定です。

このシリーズはこちらに続きます。また、このシリーズの初回はこちらです。

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