lnr025: リニアモーターカーの分析 25 諸外国の状況(1) 短距離応用

イタリア・ミラノのマルペンサ空港とミラノカドルナ駅を29分で結ぶ鉄輪式のマルペンサ・エクスプレス。こちらから転載させて頂きました。

プエルトリコの地下鉄トレン・ウルバノ。標準軌で走る地下鉄のルーズベルト駅の様子。こちらから転載させて頂きました。

本シリーズではリニアモーターカーの分析研究を進めてきました。

終章を前に、諸外国のリニアモーターカー応用や計画について現況を調べてみた結果をご案内します。日本の状況と比較する対象となると思われます。

本シリーズと同様に短距離応用と長距離高速応用に分けて紹介してゆきます。こちらを参考としています。

まずは、短距離応用について国別にリストします。順序は英語国名のアルファベット順です。

オーストラリア
[1]シドニーシドニー・ウーロンゴン間の通勤路線の提案が1990年代半ばに注目を集めたそうです。現時点で通常の鉄輪鉄道のようです。
[2]メルボルンの大都市交通圏鉄道として2008年に提案されましたが、政府に却下され、道路拡張計画が支持されたそうです。

カナダ
[3]トロント動物園内の園内鉄道として2018年に動物園理事会が提案承認したそうです。が、現時点で実現されず、動物園HPではこちらの園内バスが紹介されています。

ドイツ
[4]ミュンヘン駅からバイエルン空港までの28kmを高速リニアモーターカーの運行とする提案が2007年に発表されたそうですが、翌年、ドイツ運輸大臣により費用高騰を理由に中止となりました。

イタリア
[5]ミラノのマルペンサ空港とミラノ、ベルガモ、ブレシアの各都市を結ぶ高速鉄道の建設が2008年に提案されたそうです。現時点でマルペンサ・エクスプレスという鉄輪式鉄道が運用されているようです。

フィリピン
[6]セブ島のセブ・モノレール・プロジェクトでは二路線総延長約27kmが将来的に磁気浮上列車にアップグレードされる予定とのことですが、当初のモノレール自体が当局の承認を得られていないようです。

スイス
[7]SwissRapideというコンソシアムが計画や開発を進めているようですが、主要区間のベルン・チューリッヒ間95kmは現時点で鉄輪鉄道が運行されているようです。なお、それ以前に真空式磁気浮上鉄道の構想があったようですが、2011年にプロジェクトは解散したようです。

米国
[8]ロサンゼルス港とロングビーチ港を結ぶ8kmのパッシブシャトルをコンテナ輸送する計画を進めているようです。輸送用トラックの代替としてゼロエミッションを達成すると考えられているようですが、現時点で実現していません。
[9]ペンシルベニア・プロジェクトではピッツバーグ国際空港からグリーンズバーグまでの50kmを結ぶ高速磁気浮上鉄道が提案されているそうです。空港の新ターミナル建設は進んでいるようですが、鉄道の具体化は提示されていないようです。

[10]フロリダ州のオーランド国際空港からオレンジカウンティ・コンベンションセンターまでの24kmを結ぶ鉄道が提案されているようです。成功した場合にはディズニーワールドまで延伸されるとのことです。鉄輪式のブライトラインが2023年にマイアミ中央駅との間で開通したようですが、磁気浮上列車のニュースは無いようです。

[11]離島であるプエルトリコのサンファンとカグアスを結ぶ27kmをリニアモーターカーjとする計画が提案されているようですが、現時点でトレン・ウルバノという標準軌で走る地下鉄が2004年に実現しているのみのようです。

リーマンショックの前後に提案されたものが多いようですが、具体化されている例は無いようです。日本の都市のように「地下鉄のメリット(トンネル建設費の抑制)」が上乗せされないと費用負担に地域が応じられないのかもしれません。

次回は諸外国の長距離応用を見てゆきます。
このシリーズはこちらに続きます。また、このシリーズの初回はこちらです。

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