
大日山瞰川寺の千手観世音の右手。
このシリーズでは大日山瞰川寺の境内にある石碑と御地蔵様をひとつずつご案内しています。
今回は前回に引き続き千手観世音像再調査の結果です。
前回は十一面のお顔と台座の下の台に刻まれた文字についてご案内しました。今回は、右側の手を詳細に見てゆきます。
以前は「(両手併せて)少なくとも14本はあるようです。道具を持つ手もいくつか認められます。」と記しましたが、再調査の結果、右側の手だけで12本が刻まれていることが分かりました。
12本のうち、3本は内側に向いています。最も下側では左側の手と合わせて宝鉢(ほうほつ)を抱えておられます。宝鉢には腹部の病を治すご利益があり、食べ物を呼び寄せる力を持つ象徴ともいわれるそうです。
その上でも左側の手と合わせていて、合掌印を結んで恩られます。感謝や尊敬に加えて、「私(左手)と仏(右手)が一つになる」という意味が込められているそうです。
内側の手の最上位はそれぞれ蓮華(れんげ、はすの花)を抱えておられます。通常、右側は紫色の蓮華のようです。仏教では、尊い悟りを象徴し、仏教の教えの重要なシンボルなのだそうです。泥にまみれず、美しい花を咲かせることから、清らかさ・清浄さの象徴ともされるそうです。
右の外側の手に目を転じてみましょう。
一番上の手は錫杖(しゃくじょう)を掲げておられます。音を発することで、人々を励ましたり、毒蛇などから人々を守る力があるとされるそうです。昔は田畑や山林での守備でしたでしょうか?現代は毒を持つ悪人から守って下さると思われます。
二番目の手は空で施無畏印(せむいいん)と呼ばれるようです。安心を意味する印相だそうですが、千手観世音像の場合には手のひらに目(千の眼)が刻まれるようです。六番目と八番目の手も同様です。
三番目の手は宝剣と思われるものを握っておられます。
四番目の手は月輪(げつりん、がつりん)を掲げておられます。衆生に本来備わっている心を清浄な満月に例えたものだそうです。月輪を理解する政治家の登場が待たれるところでしょうか?
五番目の手はヒョウタンの形をしたものを握っておられます。はっきりしませんが、形状からぶどうないし水瓶(すいびょう)ではないかと推察されます。ぶどうであればたわわに果実を実らせる事から、五穀豊穣のご利益があるとされているそうです。水瓶には功徳のある水が入っているそうです。
七番目の手は鉞斧(えっふ)を握っておられます。斧で物を真っ二つに切るように、煩悩を断ち切る仏の知恵を表すそうです。また、役人などからの難を退ける力があるともいわれているそうです。 かつての役人は衆生に難をもたらしたのでしょうか?
九番目の手は数珠(念珠?)を握っておられます。108の煩悩を断ち切る力を与えてくれるそうです。
とても精緻に作られている千手観世音像であることが分かってきました。
このシリーズはこちらに続きます(最新記事がアップされたらそちらが表示されます)。また、本シリーズの初回はこちらです。
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