
2011年のエルワダム。こちらから転載させて頂きました。以下同様。

2012年。

2013年。
このシリーズでは大井川の徹底研究を進めています。
前々回、大井川水系の全発電量が、液化天然ガスコンバインドサイクルを使用する発電所一か所の発電量の23分の一と、ついうっかり、指摘してしまいました。
さらに、前回、またまたついうっかり、千頭ダムの取り壊しについて言及してしまったので、今回は世界的に見た発電用ダムなどの取り壊しの例を見てみたいと思います。
大井川の未来に反映される例示となればとよいかもしれません。
例によって基礎的調査は(地理に弱い)GROKさん(3)にお願いしました。明らかな間違いは訂正してありますが、漏れがあるかもしれませんので、ご注意願います。なお、タイトルの「他川のダム」は格言「他山の石」に掛けているなどと余計な説明はしないこととします。
1)エルワダム※(Elwha Dam、アメリカ、ワシントン州)
※)上掲写真をご参考ください。
エルワ川に建設されたエルワダム(1913年完成、堤高33m)とグレインズキャニオンダム(Glines Canyon Dam、1921年完成)は、水力発電を目的として建設されたそうですが、生態系への影響や魚類(特にサケ)の遡上阻害が問題となり、2011年から2014年にかけて取り壊されたそうです。これはアメリカで最大規模のダム撤去プロジェクトとして知られ、河川の生態系回復に大きく貢献したとのこと。
2)エドワーズダム(Edwards Dam、アメリカ、メイン州)
メイン州のケネベック川にあったエドワーズダム(1837年建設)は、水力発電と工業用水供給を目的としていましたが、老朽化とアトランティックサケやアメリカシャッドの回遊阻害が問題になったそうです。連邦エネルギー規制委員会(FERC)が、環境への影響を理由に更新ライセンスを拒否し、撤去が決定されたとのこと。1999年に撤去されたそうです。撤去後、アレワイフやブルーバックヘリングなどの魚類が回復し、2011年の2,000匹から2016年には190万匹に増加したそうです。
3)クラマス川(Klamath River)のダム(アメリカ、カリフォルニア州・オレゴン州)
クラマス川には4つのダムが1918年〜1964年にかけて建設され、合計163MWの電力を供給していたそうですが、電力会社PacifiCorpが環境基準への適合費用が高額であると判断し、撤去を選択したそうです。主な目的は、サケ、スチールヘッド、パシフィックランプリーなどの回遊魚の生息地回復、水質改善、ユロック族やカルク族などの先住コミュニティの文化的・経済的復興とのこと。2024年10月までに全ダムが撤去され、676kmの河川と支流が生息地として再接続さらたとのこと。アメリカ史上最大のダム撤去プロジェクトであり、世界最大規模の河川・サケ回復プロジェクトとして注目されているそうです。
4)マーモットダム(Marmot Dam、アメリカ、オレゴン州)
サンディ川(Sandy River)に1913年に建設されたこのダムは水力発電を目的としていたそうですが、老朽化と環境への影響(特にサケやスチールヘッドの回遊阻害)が問題視され、2007年に撤去されたそうです。撤去後、サンディ川上流への魚類のアクセスが改善され、魚類の生息環境が回復。堆積物の放出による河川の自然な地形回復も観察されたとのこと。
5)ヒイデンポルティ川(Hiidenportti River)のダム(フィンランド)
ヒイデンポルティ川のRitakoski Damなど3つのダムが2019年〜2023年に撤去されたそうです。1911年〜1925年に建設されたこれらのダムは水力発電を目的としていたそうですが、電力生産が非効率で維持費用が環境対策コストを上回るため撤去されたとのこと。絶滅危惧種の淡水サケ(ロシアのラドガ湖からフィンランドへの回遊ルート)の生息地回復が主な目的だったそうで、川の自由な流れが復元され、新たな急流や自然環境が形成されたとのこと。
6)荒瀬ダム(熊本県)
発電用ダムではありませんが、2012年~2017年に撤去されたそうです。治水や利水を目的としたダムだったとのこと。
発電用ダムの取り壊しは、主に以下のような理由で進められているそうです。
・生態系への影響: ダムによる河川の分断が、魚類や他の水生生物の生息環境に悪影響
・老朽化: 古いダムのメンテナンスコストが高騰し、経済的に撤去が合理的
・エネルギーの代替: 他のエネルギー源が普及し、ダムの必要性が低下
・地域コミュニティの意向: 地元の環境保護団体や住民の声が、撤去を後押し
ダム撤去は、河川生態系の回復に寄与する一方で、地域の電力供給や経済への影響も考慮する必要があり、また、撤去には多額の費用がかかり、計画には慎重な検討が求められるそうです。
皆さまはどう考えますか?
上記の例を鑑みると、ダムは半永久に存続させるものではなく、建設後100年程度でその存在意義を精査して、要不要の判断を下すべきものではないかと考えられます。
千頭ダム取り壊しへの言及はあながち的外れではないということでしょうか?
》》》》このシリーズはこちらに続きます(新しく投稿されるとそちらに飛びます)。また、このシリーズの初回はこちらです。ミニシリーズの初回は以下の通りです。
・「ダム」
・「本流の変遷」
コメントを残す