or059: 大井川の研究 59 大井川水が支える産業_8_水道_2

島田市川口にある取水施設。こちらから転載させて頂きました。

このシリーズでは大井川の徹底的研究を進めています。

大井川の水が支える産業を見てゆくシリーズを始めて8回目となります。前回は大井川の水が支える「水道」に着手しました。

水道と言っても様々な切り口があるため、まずは、大井川広域水道企業団という組織を調査しました。

今回は組織論ではなく、実際の水の流れや定量的議論を進めてゆく予定です。

1)取水システム
まず、水の大元を考えます。塩郷ダム⇒笹間川ダム⇒川口発電所という経路で流れてきた大井川の水です。

島田市川口にある中部電力(株)川口発電所では、発電に用いられた放流水が放水庭に排出されます。

その水は取水庭と大井川調水トンネルに分かれます。後者は伊太谷川となって大井川の支流の一つとして流れてゆきます。

取水庭には水の出口が二つあるようです。上水用と農水用です。

上水用は伊久美川の底をサイホンで通過し分水槽を経て相賀の浄水場に導かれるようです。

農水用はトンネルを経て大井川表流水の予備取水口につながり、さらに大井川川底の農水導水路に通じているようです。この水は大井川右岸の農業用水となるようです。

予備取水口は、発電放流水が停止した場合に備えたもののようで、上述のトンネルを逆方向に経由して取水庭に漂流水を取り込むようです。

結構に複雑な取水システムですね。

2)上水能力と供給量
静岡県大井川広域水道企業団は次のような上水能力と供給量を持っているようです。
・浄水能力:160,700 m³/日
・実際の使用水量:約116,700 m³/日(合計)
(藤枝市による)
つまり現実的な供給規模は
約12万 m³/日(≒12万トン/日)
と見られるようです。

3)売上高
静岡県大井川広域水道企業団は各自治体に水を「卸売り」しているので、公開資料はあるものの、単純な一行の“売上高”としてまとまっている数値は見つかりにくいそうです。
従って、各自治体の決算書からの推定となるようです。

ア)掛川市と菊川市の例
例えば構成自治体の一つである掛川市では、
• 水道収入:約28億円
• その約88%が企業団からの受水に依存
また菊川市でも、
• 水道収入:約12億円
• その中で企業団への支払いが大きな割合を占める

イ)推定値
・明確な「売上高」という表現はないが
・実質的な売上(給水収益)は各自治体の合計額として年間数十億円規模(概ね40〜60億円程度)

水道水の売上高を大きいとみるか小さいとみるか?

金額自体よりもその水に依存している生活や産業活動の大きさを考える必要があることは言うまでもありません。

次に続きます。

》》》》このシリーズはこちらに続きます(新しく投稿されるとそちらに飛びます)。また、このシリーズの初回はこちらです。 「大井川の水が支える産業」ミニシリーズの初回はこちらです。その他のミニシリーズの初回は以下の通りです。
・「ダム
・「本流の変遷」 
・「
・「大井川鐵道の歴史
・「水源の山々
・「沢と滝

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