19cw045: 19世紀の戦争_045_第一次アヘン戦争_1839年~42年_7_虎門条約

葛飾北斎による『鄭芝龍ガ砲術海魔ヲ劫カス』の図(万物絵本大全図)。虎門要塞は1630年ころに鄭芝龍の弟の鄭芝虎が水兵と共に住んだことからその名がついたそうです。鄭芝龍は鄭成功(平戸生まれで日本名が田川福松)の父親。こちらから転載させて頂きました。

「戦争を無くすためには戦争の本質を理解する必要がある」という考え方に立脚して本シリーズに着手しました。

ここしばらくは、イギリスが清国(中国)に仕掛けたアヘン戦争(1839年~42年、56年~60年)に焦点を移しています。

前回は、講和条約である南京条約を俯瞰しました。

イギリス艦船の中で四人の東洋人が50余名のイギリス人に囲まれて調印する状況は衝撃的でした。

ところが、南京条約だけでは済まなかったというのが実情のようです。

今回は南京条約に付随した虎門条約についてみてゆきます。
⇒⇒別条約が付随したサンフランシスコ講和条約もこれに似ていますな。

ちなみに、イギリス商人によるアヘンの密輸がそもそもの戦争原因でしたが、一連の条約でアヘンの合法的取引は認められなかったようです。何のための戦争だったか、想像に難くないように思われます。

例によって、ChatGPTに質問する形で調査を進めました。

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1)虎門条約(こもんじょうやく、1843年)
 南京条約を具体的に実施するために翌年に広州の虎門要塞で締結された追加条約。正式には「五口通商章程附粘善後条款」と呼ばれるそうです。
 歴史的には、南京条約だけでは実際の貿易や外国人の扱いについて細かなルールが十分定められていなかったため、その「運用規則」として結ばれたと考えるようです。

2)なぜ虎門条約が必要だったのか?
 南京条約は講和を急いだため、
・開港は決めたが、外国人はどこまで活動できるのか
・犯罪を犯した外国人を誰が裁くのか
・関税率は具体的にどうするのか
・外国軍艦は港に入れるのか
などの実務的な問題が未解決だったそうです。
 イギリスとしては、
「せっかく戦争に勝ったのだから、商人や居留民が安心して活動できる制度を明確にしたい」
と考え、追加協定を求めたとのこと。

3)主な内容
A) 領事裁判権(治外法権)
 イギリス人が中国で罪を犯した場合、
・清国の役人や裁判所ではなく
・イギリス領事が裁判する
ことに。例えば上海でイギリス人商人が事件を起こしても、清国は直接裁けないという規定。清国の司法主権を大きく損なうもの。
⇒⇒犯罪を起こすのは商人だけとは限らないはず。外交官や軍人の犯罪も清国が裁判権を持たない。

B) 最恵国待遇
 以後、清国が他国に与えた特権は自動的にイギリスにも適用されることになったそうです。例えば、
・後にアメリカへ認めた権利
・フランスへ認めた権利
もイギリスが享受できるという内容で、列強の権益が雪だるま式に拡大していったそうです。

C) 関税率の固定
 輸出入関税が英清協議で定められ、従来のように清国が自由に変更できなくなり、関税自主権が制限されることになったそうです。

D) 開港場での居住権
 イギリス人が開港場に居住し、商館を設置できるようになり、後の外国人居留地の基礎となったそうです。

E) 軍艦寄港の容認
 イギリス軍艦が開港場へ出入りする権利も認められ、清国から見ると大きな圧力となったそうです。

4)清国にとっての意味
 南京条約で失ったものは主に香港島、賠償金、貿易独占権でしたが、虎門条約ではさらに、
・司法権
・関税自主権
・外国人統制権
まで侵食されることになったとのこと。
 中国史では、「南京条約と虎門条約を合わせて初めて本格的な不平等条約体制が成立した」と評価されるそうです。

5)なぜここまで屈辱的だったのか?
 以下は筆者の見方です。
 有史以来、中国は世界一のGDPを誇っていたという指摘があります。また、第一次アヘン戦争の前までに中華民族の国家が敗れたのは
・北方・西方の遊牧民族
・中国文明を受容した周辺国家
であり、中華世界の外部に敗れたのは初だったようです。すなわち、中華民族は「負け方を知らなかった」ために、過度にイギリスの言いなりになった可能性があるのではないかと考えます。
 さらにそこに付け込んで漁夫の利を狙った勢力があり、次回はその点を俯瞰します。
 また、1858年の 日米修好通商条約 を思い浮かべると、虎門条約は単なる追加協定ではなく、後に日本を含む東アジア全体へ広がる「不平等条約体制の原型」となった条約だったと言えるようです。

《《《《《《《《ここまで《《《《《《《《

次に続きます。

次は漁夫の利を狙った国々の動向を中心にご案内する予定です。

このシリーズはこちらに続きます(新しく投稿されるとそちらにリンクされます)。
このシリーズの初回はこちら、同じく前回はこちらです。「アヘン戦争」ミニシリーズの初回はこちらです。他のミニシリーズの初回は以下の通り。
・「フランス革命戦争
・「ナポレオン戦争
・「テキサス独立戦争
・「第一次アフガン戦争」   

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