
このシリーズでは大井川の徹底的研究を進めています。
大井川の水が支える産業を見てゆくシリーズを始めて9回目となります。
前回は大井川広域水道企業団の年間売上(給水収益)を数十億円規模(概ね40〜60億円程度)と推計しました。
ここで注意すべきは、上記は同企業団の川口取水場で取り込まれて浄水にされた「大井川の水」である点です。
大井川は伏流水も豊かでこれを組み上げて利用する地下水(井戸水)も多く利用されています。
実際、吉田町は大井川の河口に位置しながら、上記企業団に参画していません。地下水利用が主体だからです。
さほどに伏流水に恵まれた土地柄ということです。
今回は地下水利用の規模推定を行います。企業団水の量を基準として行います。
1)基準となる「企業団水」の量
静岡県大井川広域水道企業団は
• 浄水能力:160,700 m³/日 (大井川広域水道)
• 実際の使用水量:約116,700 m³/日(合計)
現実的な供給規模は約12万 m³/日(≒12万トン/日)
2)伏流水(地下水)の量(代表例から推計)
データが明確な自治体を代表例とすると:
例:藤枝市
• 地下水(井戸):67,000 m³/日
• 企業団水:15,800 m³/日
比率
• 地下水:約81%
• 企業団水:約19%
⇒⇒地下水利用は企業団水の4倍です!!
3)流域全体の構造(推計)
関連自治体の全てで藤枝市と同様ではありませんが、傾向として:
• 大井川流域は伏流水が非常に豊富
• 多くの自治体が「地下水(主力)」+「企業団水(補完)」のハイブリッド構成
これを前提として粗い合算モデルを構築します。
流域全体(約60万人)で 1人あたり使用量を250 L/日(標準的)と仮定
⇒⇒水使用を「個人」としていますね。
→ 総需要:約150,000 m³/日(個人)
対して:
• 企業団水:約120,000 m³/日(上限)
• 実使用:約117,000 m³/日
「足りない分約30,000 m³/日強を地下水が受け持つ」のではなく、現実的には水源規模感として
•企業団水 約10〜12万 m³/日
•地下水(伏流水含む) 約10〜20万 m³/日(推計)
4)比率(伏流水vs企業団水)の結論
全体としては: 地下水:企業団水 ≒ 1 : 1 〜 2 : 1
つまり地下水の方がやや多い
• ただし企業団水も“基幹インフラ級”
5)直感的理解
普段は地下水で回し、足りない分や安定供給を企業団水で補う
⇒⇒実際、筆者宅では(新東名トンネル工事と時を同じくして)枯れてしまった井戸水をあきらめて水道水に切り替えたという歴史があります。
6)水利用総額
ということで、企業団水年間売上を数十億円と推定していますので、伏流水を含めると水(だけ)の価値はその約3倍の200億円前後と算定されます。
次では水道と伏流水が支える商業の価値について吟味します。
》》》》このシリーズはこちらに続きます(新しく投稿されるとそちらに飛びます)。また、このシリーズの初回はこちらです。 「大井川の水が支える産業」ミニシリーズの初回はこちらです。その他のミニシリーズの初回は以下の通りです。
・「ダム」
・「本流の変遷」
・「橋」
・「大井川鐵道の歴史」
・「水源の山々」
・「沢と滝」
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